CIVIC(シビック)FL1オーディオ関連カスタム02

このページの目的と目次

FL1シビックEXグレードには超有名メーカーBOSEのプレミアムサウンドシステム(10チャンネル、12スピーカー)が標準装備されている。どの席に座っても快適なサウンドに包まれるのが魅力なんだが...あえていろんな小細工に取り組んでいく。

ツイーターコンデンサー交換(2022-04-03)

さて、ネットを徘徊していると、『純正ツイーターのハイパスフィルター用コンデンサーは安物で、フィルムコンデンサーに替えると違いは歴然!』みたいな記事が多数見つかる。見つかったならば試してみねばなるまい。

純正コンデンサー容量の確認
純正コンデンサー容量の確認
購入品:
オーディオ用フィルムコンデンサー6.8μF(FX-AUDIO)。手堅く同一容量のコンデンサーを購入してみた。
685J=68×105pF、誤差J(5%以内)
コンデンサー購入品

コンデンサー交換作業

コンデンサーを分解し足だけ残す
コンデンサーを分解し足だけ残す
スピーカーケーブルで延長
スピーカーケーブルをコンデンサー
にはんだ付けする。
ツイーターにはんだ付け
ツイーター(コンデンサーの
足だった部分)にはんだ付け
カバー内に固定
カバー内に固定

効果は?

早速効果確認だ...変わったかと言われると変わったのかもしれないが変わってないと言われるとそうなのかもしれない...耳が不調なのかもしれないし、聞き慣れたらきっとものすごくよく感じるんだろう、そうに違いない...なかなか沼には沈みそうにないなw

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BOSEアンプを調べてみる(2022-04-24)

ディーラーでもらった配線図やネットで出てくるホンダコネクトオーディオユニットのコネクター信号割り当てを見るとBOSEアンプへ送る信号は、起動信号・SPDIF・ナビ音声・ビープ音・制御信号、と、かなりシンプルな構成になっている。でまぁ、深い意図はないものの、ちょっと調べてみようかと...

BOSEアンプの場所

BOSEアンプは助手席足元の左側(車体外側)にあり。画像左下のコネクター(外してあるやつ)は重要(後述)

BOSEアンプ

BOSEアンプ信号線コネクター

アンプへの信号線接続は、アンプ(銀色ボディの箱:画像ややひだり)下側にあり。

緑色カバー線
SPDIF
黒色メッシュカバー線
各種信号
一番上のコネクター
スピーカーへの出力コネクター

BOSEアンプ信号線コネクター接続位置

BOSEアンプSPDIFコネクター

コネクター:日本航空電子工業CE2A101Z00
さすがにデータそのものはSPDIF規格でしょう、きっと。

BOSEアンプSPDIFコネクター

BOSEアンプ信号線コネクター

コネクター:日本航空電子工業MX84B016SF1(もしくはMX34016SF1)と思われる

BOSEアンプ信号線コネクター
BOSEアンプ信号線コネクター信号一覧
No.用途線色No.用途線色
1未使用未使用9未使用未使用
2未使用未使用10未使用未使用
3未使用未使用11未使用未使用
4AUX BEEP(電子音)オレンジ12AUX NAVI(音声)
5AUX NAVI GND13未使用未使用
6未使用未使用14SWD-B(アンプ起動信号)
7RS485(制御)-ピンクドット15RS485(制御)+青ドット
8未使用未使用16未使用未使用

BOSEアンプスピーカー出力コネクター

BOSEアンプスピーカー出力コネクター

コネクター:日本航空電子工業?カスタム品?

BOSEアンプスピーカーコネクター信号一覧
No.用途線色No.用途線色
1(大)GND3(大)アンプ電源 +
2(大)サブウーファー +4(大)サブウーファー -
5フロントセンター +16未使用未使用
6フロントセンター -17未使用未使用
7左フロントドア -18左リアピラー +
8左フロントドア +薄緑19左リアピラー -ピンク
9右フロントドア +20右リアピラー -緑白
10右フロントドア -21右リアピラー +
11右リアドア +22右フロントピラー +薄緑
12右リアドア -23右フロントピラー -ピンク
13左リアドア -薄緑24左フロントピラー +
14左リアドア +ピンク25左フロントピラー -
15未使用未使用26未使用未使用

テスト用器具製作

さて、ここまでの段階でいろんな妄想する人がいるかもしれないが、もうすこし調査を続けることにする。

購入品:
日本航空電子工業CE2A101Z00
日本航空電子工業CE2G001C01
日本航空電子工業CE2Z22HC01(これは無くてもいいかも)
DAコンバーターGA-DACONV(中華品。入力:同軸・光、出力:同軸・光・アナログ)

購入品のコネクターがポイントだ。本来はアンプに接続するコネクターの相手側が欲しかったのだが、どこにも在庫がなく(2021年春の北米寒波影響で世界的な樹脂不足が発生しコネクター不足へ、端子に使用する金属材料もひっ迫、実はめっき液関連もやばい)あきらめかけていたところで見つけたのが、アンプ全体画像の左下、実はここにもSPDIFコネクターがある(画像は外している状態)、で、アンプ用コネクターと同一形状品なら在庫が見つかった、という背景。
それら購入品と家に転がっている同軸ケーブルやイヤホンを動員して下のようなテスト器具(SPDIFの音声データって何が入ってるの?確認用)を作成した。

BOSEアンプSPDIF出力テスト器具

テスト結果

ホンダコネクトで各種インターフェースを一括管理しているため、ひょっとすると音声関連も何らかのインターロックがあるのでは? と各種テストをやってみる。

テスト1:SPDIFデータが入らない場合にエラーは出ない?
問題無し
テスト2:制御信号等が入らない場合にエラーは出ない?
問題無し。RS485通信は一方通行でアンプからのアンサーバックはとっていないと思われる。
テスト3:スピーカーが繋がっていなくてもエラーは出ない?
問題無し
テスト4:SPDIFデータって何が流れているの?
オーディオデータ(AM/FMラジオ、TV含む)、電話
テスト5:RS485通信でBOSEアンプの何を制御しているの?
ボリューム(ここ重要)、音質、リスニングポジション。
音声コマンド入力時や電話の際のオーディオミュートはホンダコネクトユニット(ここ重要)が制御している(ただし、天気予報や注意報の音声が流れる際には何の制御もやっていない...それでいいの? ホンダさん)

はい、以上の結果から各自で妄想を膨らませてもらいたい。ちなみに、車業界が生産停止日ができるくらい世界的に半導体不足がひどい状態になっている。当然、その影響は(カー)オーディオ界隈に波及しているんだよねぇ...

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フロントスピーカー交換(2022-08-12)

さて、タイトルのとおりである。夏休みの工作として実施してみる。ただし、FL1シビックEXグレードは有名ブランドBOSEの『プレミアムサウンドシステム』が標準装備であり、

の点に注意が必要だ。

購入品:
カスタムフィットスピーカーTS-C1730S[カロッツェリア](旧モデルでちょっとだけお安い)
インナーバッフルUD-K614[カロッツェリア]
TS-C1730S
UD-K614

購入したTS-C1730Sは、付属のクロスオーバーネットワーク1個の中に高音域用ローカットフィルターと中低音域用ハイカットフィルターが集約されているため、今回のように別回路駆動の場合はそのままでは使用できないので小細工が必要となる。

ウーファー取り付け

まずはウーファーの取り付けから始めよう。

インナーバッフル取り付け
インナーバッフル取り付け
ウーファー純正コネクター
ウーファー純正コネクター
ドア内配線ルート
ドア内配線ルート

純正スピーカーを取り外したら、そこにインナーバッフルをねじ止め(簡単!)。純正コネクターは防水仕様になっている。TS-C1730S付属のクロスオーバーネットワークはウーファーに使用し内装側に設置することにしたため、スピーカーから内装側へケーブルを配線するルートが必要となるが、パワーウィンドー制御用ケーブル出ている開口が近くにあるのでこれを使用する。

購入品:
HX防水コネクター用ハウジング6181-6851[住友電装]
HX防水コネクター用ターミナル8230-5308[住友電装」
HX防水コネクター用ワイヤシール7165-1565[住友電装」

クロスオーバーネットワークはドア内装パネル側に固定するため、内装パネルを取り外すことを考慮してギボシ接続として、ドアパネルと分離できるようにする。スピーカーに付属のギボシ(付きのケーブル)を有効活用してドア外装側のケーブルを自作だ。

ドア外装側自作ケーブル
ドア外装側自作ケーブル
ウーファー配線図
ウーファー配線図

ツイーター取り付け

次はツイーターの取り付けだが、クロスオーバーネットワークはウーファー側に使用したので、別途ローカットフィルターが必要となる。以前に、純正ツイーターのローカットフィルター(コンデンサー)を交換したので、今回も同様の作戦を実施する。

ここで問題となったのは、ツイーターのコネクター、だ。コネクターを観察すると、『住友のロゴ』と思われる『井桁マーク』、『CV3』『CV4』という文字(左右で違う!型式表示じゃないのか?)が見えるが、住友電装webサイトでは該当する型式(と形状)は見つからなかった。よって、漢(オトコ)らしくバッサリ切断してギボシ接続に変えてしまおう。

ピラーへの取り付けは、スピーカー付属のホンダ用アタッチメントだとガタが大きかったが、ベースを取り外しただけのボディが開口にジャストフィットサイズだったのでその状態で固定だ。

購入品:
オーディオ用フィルムコンデンサー4.7μF[AUDIOPHILER] ※コンデンサー容量はカロッツェリアの商品紹介サイトの画像を信用して選定だ
ギボシセット
ツイーター純正コネクター
ツイーター純正コネクター
ツイーターコネクターを変更
ツイーターコネクターを変更
ベースを取り外して使用
ベースを取り外して使用
ツイーター配線図
ツイーター配線図

交換完了

完全ボルトオンという訳ではなかったが、多少の思い切りと簡単な配線工作だけで取り付けは完了した。さてその効果は?

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S/PDIF波形観察[2023-02-04][2023-02-05 Update]

ふと思いたって、BOSEアンプへの入力信号(S/PDIF)を観察してみることにした。

準備品:
以前に作成したテスト用器具のケーブル
PROSTERハンディオシロスコープ
48kHz(MP3)
48kHz(MP3)
96kHz24bit(FLAC)
96kHz24bit(FLAC)

2種類の音源、48kHz(MP3)と96kHz24bit(FLAC)での比較である。波形がなまっているのは安物ケーブル?安物オシロ?のためなのかもしれないが、注目すべきポイントは、どちらも最小の周期が0.33μs程度になってることだ。

S/PDIFの基礎知識

ここで、S/PDIF(AES/EBU規格:IEC60958-4の民生用途、らしい)の仕様について整理してみよう。標準フォーマットは下記のとおりだ。

S/PDIFフォーマット
S/PDIFフォーマット

SYNCコード

SYNCコード
code内容データ
Bブロック先頭(左チャンネル)11101000
or
00010111
Mフレーム先頭(左チャンネル)11100010
or
00011101
Wサブフレーム先頭(右チャンネル)11100100
or
00011011

いきなりつまづきそうである。

データ部分

最大24ビット。データ下位から上位の順に右づめで、BMCエンコードで収納されている。

BMCエンコードのお約束 実際の値は下表による
直前の
ビット
データ
01
01110
10001

このBMCエンコードにより1(または0)が3個続くことはないので、逆に1(または0)が3個続く部分をSYNCコードとして認識し、そこを先頭にデータ処理をする。

制御ビット

以下の4ビット

code内容
Validityデータにエラーがあれば1
Userユーザーが自由に使用。1ブロック分の192個で表現
Channel各種データ。1ブロック分の192個で表現
Parityパリティチェック

実データの確認

これらの仕様定義をもとに、実際に取得した波形の中身を確認してみる。

実波形の内容確認
実波形の内容確認

おぉっ、ちゃんと定義どおりのデータになっているじゃないか。これから考察できるのは、

で、オーディオユニットから出力されているってことだ。Hi-Resのデータも再生できるけどフルスペックじゃなくてダウンコンバートでの出力ってことだよね。

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