2000年末に登場したばかりのPentium4(willamette)だけど1年でモデルチェンジ(T_T) CPUソケットの規格も変わったので今までのシステムは使えない。こうなったら....とばかりに導入したものの,悲しい習性が働き,いつもの改造工程へ突入か?
今回のメインパーツはマザーボード:ASUSTEK P4T-E と CPU:P4-2.2GHz だ。まずは動作確認をしないと。さくさくっとケース?(実はまな板マシン)に組み付けを完了,早速スイッチON....
まさか不良品?....いや,ひょっとすると....
今回のマザーボードP4T-EのBIOSバージョンは1004。ASUSホームページで確認すると1005がNorthwood対応バージョンとなっている。これじゃ動かなくても文句は言えない?
BIOSバージョンが古いからCPUを認識しないとなっても,BIOS-ROMは基板上に直付けなのでROMライターにもかけられないし困ったもんだ。まさかBIOSアップデートだけのために旧P4(478ソケット用willamette)を買わなきゃいけないのか?
CPUを認識してないってのはもしかしたら「JumperFreeMode」だからじゃないんだろうか? 試しにディップSWで直にx22とFSB100を指定してみよう。
どうやら無事起動,すかさずBIOSアップデートで1005にすると,今度はJumperFreeModeでも動作OK。
じゃ次はOSインストール。ゲーム機としての運用をメインに考えているためここはやはりWindows98にしよう。
いや,正確にはインストールは無事終わったんだけど再起動すると起動中に
「デバイスNDISを初期化中:Windows保護エラーです。コンピュータを再起動してください。」
とのメッセージが(@o@)
どうやらネットワークカードを装着してあると出るようなのでいろんなインストールパターンを試行錯誤で繰り返してみるがこの問題は回避できず。
あきらめてWin2Kを入れてみると,これが動くじゃないか。じゃぁWinMeは....こいつもOK。だけどMeはどうも好きになれないしかといってXPだとゲームの対応がねぇ....
そういえばWin98にはSecondEditionなんてものがあった。こいつを調達してきて試してみよう。やった(^^)v 動くじゃないか。
ふ〜 これで,実験できるぞ。次項に続く。
次のステップは当然(?)電圧UPだ。
BIOSでCPU電圧を可変できるASUSTEK P4T-Eだけど,デフォルトでは1.65Vまでのよい子設定(Northwoodのデフォルト電圧は1.5Vなので+10%までしかあげられない)までしかない。これじゃぁ物足りないので一工夫してみることに....
このマザーボードに使われている電圧制御チップはANALOG DEVICESのADP3165。場所はCPUソケットとAGPスロットの間だ。同社のホームページ(http://www.analog.com/)を見ると,このチップのデータシートはまだ公開されていない模様。そこで,同種のチップと思われるADP3164のデータシートとPentium4のデータシート,およびマザーの配線パターンを比べてみたところ,
CPU | VID4 | VID3 | VID2 | VID1 | VID0 |
ADP3165 | 1Pin | 2Pin | 3Pin | 4Pin | 5Pin |
とつながっているようだ。
VID0〜4のHIGH/LOWによりCPU電圧が決定されるってのは毎度のことなので,この部分の結線を変更することにより電圧UPが謀れるのだが,問題はどこの場所でするかってこと。
一番確実なのは,ADP3165で足上げし,そこに改造パーツを取り付けることなんだが,0.65mmピッチの表面実装チップをうまく足上げ&コード取り付けする自信はどこにもない(^^; そこで,マザーの配線パターンを追いかけて見つけたのが,CPUソケットと背面シリ・パラコネクタの間にあるR60とRN15(集合抵抗)で,
CPU側 | ADP3165側 | |
VID4 | −R60− | 1Pin |
VID3 | −RN15− | 2Pin |
VID2 | −RN15− | 3Pin |
VID1 | −RN15− | 4Pin |
VID0 | −RN15− | 5Pin |
となっているようだ。こちらの方がスペース的にも楽なのでこの場所で作業することに決定。R60・RN15とCPUの間でこれらの配線パターンをカットし,R60・RN15のCPU側にディップSWを取り付けることでデフォルト値以外のCPU電圧を設定できるようになるはずだ。つまり,こんな回路を付け加えるわけだ。
ディップSW | ADP3165 | |
.___/ .____ | R60 | ____ 1Pin |
|___/ .____ | RN15 | ____ 2Pin |
|___/ .____ | RN15 | ____ 3Pin |
|___/ .____ | RN15 | ____ 4Pin |
|___/ .____ | RN15 | ____ 5Pin |
| | ||
GND |
これで,ディップSWの設定がCPUのVID設定に取って代わられるはずだ。
さて,改造も終わり期待に胸躍らせながら電源ON,ディップSWを切り替えハードウェアモニタで電圧をチェックするが,電圧は1.65V以上にあがらない?
そりゃ,この改造部分とADP3165の間に,マザーの電圧調整回路が入ってはいるものの,CPUのVID情報そのものをごまかしているので問題はないだろうと考えていたがどうやら甘かったのか? ひょっとしてCPUのステッピング情報でデフォルト電圧=1.5Vと固定されている?のだろうか....こいつは参った。
そこで思い出したのが「ジャンパーモード」ASUSのマザーって「ジャンパーフリーモード」の時にはCPU電圧も可変できるけど「ジャンパーモード」にしたとたんその設定項目がBIOSで出てこなくなる。こいつが原因か?
どうやらこいつが大正解。「ジャンパーモード」にしたら問題なくディップスイッチの設定でチップの最大設定電圧1.85Vまで調整可能に(^^)v
どうにか当初の目的は達成したものの,改造方法としてはイマイチだったか。