バイク用の盆栽アイテムでは最上級にランクされる(?)『ビルトインガレージ』。 その実現に向け,『バイク用ビルトインガレージを造るぞ! 第1章(計画)』では,仕様を煮詰めてきたが,いよいよ工事の開始だ。 さて,どうなることやら...
工事の最初の一歩と言えばやはり地鎮祭。滞り無く式典が終わった後,なにやらいきなり地主意識の芽生えた(?)人物が一人,草むしりを開始。いや,そこはすぐに掘り返すことになるから無駄な作業なんだが...
この後引き続き現地での打ち合わせ。本日のメインテーマは基礎の高さについてだ。道路から見て奥の方ほど300mmほど地面が高いウチの土地。ポイントになるのは,以下の2点だ。
ビルトインガレージ床は低くて道路面に近いほどいいが,そうすると奥の方で地面からの立ち上がり高さが不足する(住宅金融公庫基準によると,シロアリよけのためには基礎の立ち上がり高さは地面から400cm以上確保する必要がある)のでNGだ。じゃあどうするか?
これらを踏まえて決着したのが下の略図。
これが決まれば一気に基礎施工だ。天候にも恵まれサクサク工事が進んで,コンクリート打設後の養生期間を含め,2008-05-07に基礎完成だ。 ちなみにビルトインガレージ入口手前にある水道メータ取付部は移動させる。 誰もこんな所に付けていいとは言っていない。 ここはスロープになるところじゃないか。
基礎ができあがれば,材木を一気に搬入して建て方開始だ。全てプレカットされた部材ばかりなので,どう見てもプラモデル状態。 前日に1階床部分を組み立てておくだけで,次の日には一気に上棟だ。 当然上まで登ってイベント実施。 ん?ヘルメットをかぶれって? もちろんOKだけど,安全帯は? えっ,無いの? へぇ~,そうなんだぁ...
ちなみに,ウチは主要な構造部材は全て集成材。 とりあえずは安定した性能を低価格で発揮しそうだから。 家族全員,アレルギーもアトピーも無いから接着剤も平気だ。 まぁ,20~30年後の接着剤劣化が心配,なんて声もあるが,実際はどうなることか(メーカーでは加速試験もやってるのだろうか?) まぁ,そのときはそのとき,ってことで。 ところでさ,このすばらしいネーミングは...
木造軸組み工法における構造体工事でのチェックポイントと言えば,構造用合板の施工だろうか。 定められたクギを所定の間隔で頭をめり込ませないように打たなければならない。 そしてそれは,壁倍率を稼ぐための耐力壁だけでなく,存在床倍率に効いてくる床の構造用合板とかさらには屋根下地の構造用合板についても同様だと思う。
この件で役に立つ資料が,日本合板工業組合連合会発行の『構造用合板の手引き』(http://www.jpma.jp/shiryo/index.html)だ。 ここに構造用合板の種類とか施工方法が詳しく記載されているので必読だろう。
特に床の施工については,クギだけでなく,『接着剤を併用』という点を要チェックだ。
構造体が完成したら次は透湿防水シート工事だ。 が, ビルトインガレージ部分だけは,透湿防水シートを挟み込んで構造用合板を貼ってある。 なにやら変な施工?
外壁部分は通常,構造用合板・透湿防水シート・通気層・外壁と重なっていき,最下部には水切りが付いて雨が入らないようになっている。 通常はこれで大丈夫なのだが,暴風雨時には土台と基礎の間のスキマ(=床下換気用の基礎パッキン)を通ってビルトインガレージ部分に雨水が浸入し,物品を濡らすこともあるらしい。 そこで,ビルトインガレージ部分だけは,構造用合板を基礎まで伸ばしてスキマをなくしてシーリングし,雨水や外気の浸入を防ごうって作戦とのこと。 下図参照。
また,居住空間に面した壁の基礎通気部は,発泡ウレタンで塞ぐ。 こうすることで,居住空間部分の床下換気もビルトインガレージへの浸入を防ぐことが可能だ。 外気,特に冬季の冷たい空気がスキマ風として入ってこないだけで,ビルトインガレージ内の快適性もUPするに違いない。
『ビルトインガレージを造るぞ! 第1章(計画)ビルトインガレージ基本仕様』で,不要とした断熱材...だけど,下の画像を見ると,ビルトインガレージ内壁部分には,断熱材および透湿防水シートが取り付けられている。 どうしてだ? ちなみに左下部分がシャッター取付用開口ね。
これだけ立派にロゴマークが入っていると,ビルダーがわかってしまう。 別に隠すこともないけど,大々的に紹介するつもりもないので,きっとこの画像だけでしか判別できないと思う。
なにやら,『屋外扱い』って言葉の解釈に思い違いがあったみたいで,当初からプランに入っていたそうな。 ただ,この部分には断熱材が入っているものの,建物全体の断熱区画としてはビルトインガレージ部分は屋外扱いで,居住空間側の壁に入れる断熱材およびこれから施工する天井部分に入れる断熱材で境界としている。
透湿防水シートについては,この部分は建物が完成すれば直接雨に濡れることは無いものの,建築途中では雨が吹き込むこともあるだろうということで,貼り付けられている。 で,そのままその上に壁を仕上げるそうだ。
壁にも断熱材が入っているということで,ますます居住性があがりそうな予感が。
もともと無いものと思っていたビルトインガレージ部分の断熱材。 入っているだけで文句は無いが,その他の居住空間はそうはいかない。 例えば,下の画像のような施工だった場合は全然ダメだ。
なぜダメかというと...キーボード叩くのが面倒なのでリンクを貼っておくことにする。 『硝子繊維協会の断熱施工マニュアル』(http://www.glass-fiber.net/)だ。 グラスウールでの施工方法についてかなり詳細に記載されているマニュアルだが,もちろんロックウールにも適用できる。 高気密仕様でない,袋入りのグラスファイバーやロックウールの充填断熱工法ならここの資料どおりに施工できてるかどうかを要チェックだ。
おまけ
壁・天井・床,だけでなく忘れちゃならないのが『浴室まわり』。 この部分についても上記の資料をよく見て,施工するべきだ。
断熱材が入ったら次は壁施工だ。 内装仕上げにはこだわらないので,壁の仕上げは画像のように防火サイディングで終了の予定だ。 ちなみにこれはシャッター側から見た状態ね。
ん? なにやら変な気がする... あっ,サイディングが梁まで届かずに途中で終わってるじゃないか!
「...もしもし~,ガレージの壁なんだけど,梁まで伸ばさなくていいの? 省令準耐火構造(モドキ)にするためには伸ばさなくちゃならないはずだけど...」
省令準耐火構造とは...まぁ,燃えにくい材料で,屋根・外壁・天井・壁を囲って,耐火性能をちょっとだけ上げた構造だ。 後は面倒だから「省令準耐火構造についてググった結果」を見てもらおう。 ちょっとだけ耐火性能があがる分,ちょっとだけ火災保険料が安くなるらしい。 で,上に継ぎ足されることに。
2008-07-24追記
正確には『省令準耐火構造』ではないらしい。 ビルダーと保険会社がタイアップした『ウチで火災保険に入ってもらえれば省令準耐火構造と同等の構造と認めて火災保険料を安くしてあげられるんだけど』構造が正解? ちなみに割引率は省令準耐火構造と同じ。
天井下地材の上に断熱材を載せて室内側の断熱区画を完成させた後,天井ボード施工だ。 この面についても仕上げにはこだわってないので,このままの状態で完成の予定。 全体的にグレーで統一したみたいなのは単なる結果。 決して意図したものではない...ちょっとなんだかな? って気もするが。 。
天井からぶら下がっている電線は,手前のごちゃごちゃしたのがオーバースライディングドア『フラットピット』の駆動部用で,駆動部分に一次側電源,安全用センサ信号線,開閉スイッチ信号線を集中させることになる。 そして両サイドにあるのが,電灯用。 面積的には中央1ケ所の電灯設置で問題ないのだが,部屋の中央上部には,『フラットピット』駆動レールが縦断しているため,影になってしまうので付けられない。 かといってこの位置なら問題が無いかと言うとそうでもないのだが,これについては『フラットピット』が設置されてから記述していこうかと。
いよいよビルトインガレージの主要設備であるオーバースライディングドア『フラットピット』の取付だ。
ガレージ一番奥の居住空間に通じる扉横に付いてるのが駆動用モータ。室内側から出てきた場合にはちょっと目障りな位置だが、部屋が狭いんだからしょうがない。 まぁ、オーバースライディングタイプを選んだ時点で天井部分に付けられる部品が邪魔なんていう資格は無しだが。
外観はご覧のとおり。カタログ標準色『ステンカラー』のはずだが,建具の色に合わせたみたいなブラウン系だ。 こんな色はオプションにもないし,特注色を頼んだつもりもないんだが... まぁ全体の統一感もそれなりに出てるのでOK?
で,最後に照明器具を取り付けだ。 20W蛍光灯を2ケ所への取り付けなので,「居住空間と比べるとちょっと暗いかな?」というレベルで,車体下部を弄る場合は陰になるので手元灯が欲しいところ(本当は壁の低い位置に床面付近を照らす照明が欲しかったのだがスペース的に断念だ。)。
上で記載した「問題」というのは,その内の1本がシャッターを開けた場合に半分以上隠れてしまうってこと。 このように,照明の取り付け方法がオーバースライディングタイプのシャッターを選定する場合の最大のネックになる。 ただ,ウチの場合,すぐ前が道路のため,照明の必要な夜間にシャッターを開けたままで作業をすることはあり得ないので運用上は問題ないだろう。 そうでない場合は,もっと両側に振ってシャッターレールの外に着けるとか,レールの下に付けることになると思う。